2004年4月8日
鹿児島国際大学教職員組合
執行委員会 Vol.3-20
仮処分異議申立裁判 三教授側全面勝訴
理事会は、一刻もはやく三教授「職場復帰」のための和解のテーブルに!!
津曲学園理事会が,解雇された三教授の地位保全等を命じた鹿児島地裁「仮処分決定」(2002年9月30日付け)の「取り消し」等を求めた異議申立裁判の決定が,鹿児島地裁で下されました。(決定文書は3月31日付,文書交付は4月1日)。この裁判は、この事件をめぐって行われてきた5つの裁判のうちのひとつで(@地位保全等仮処分申立裁判、A解雇無効・地位確認等請求裁判(本訴)、B学園側による仮処分異議申立裁判(本件)、C名誉毀損裁判、D賃金仮払延長申立裁判)、これによって、三教授側は、@BCの3つの裁判すべてについて勝訴したことになります。以下、今回の裁判の「決定」の内容を紹介します。まず、主文では、
「 1 上記当事者間の鹿児島地方裁判所平成14年(ヨ)第84号仮処分命令申立事件について、同裁判所が平成14年9月30日にした仮処分決定を認可する。
2 訴訟費用は債務者の負担とする。」
と、理事会側の申立を退け、三教授側の主張と仮処分決定の正当性を認めています。その後、その「理由」が34ページにわたって述べられ、事実関係と双方の主張を詳しく整理したうえで、かなり踏み込んだ判断が示されています。すなわち、裁判所は、まず、「1 懲戒処分の有効性」において、以下のような判断を下しています。
@「選考委員会」による「選考」と「推薦」の仕方は、選考委員会の「裁量の範囲内」である。(p.25、27)
A「科目適合性の有無の判断の誤りを懲戒事由にするということになると、学問的立場の違いを理由に懲戒処分が行われることになりかね」ない。(p.25)
B「業績評価報告書」を作成する過程で「強引な会議の進行がなされたとはいえない」。(p.28)
C「本件採用人事に関わる教授会の運営」において、当時の学部長が「選考委員会の報告を是とする方向へ導くように、ことさら議事を運営したとは認められない。」(p.29-30)
D「本件大学の教員として本件大学の将来の方向性について意見を述べることは当然に認められるところであって、懲戒事由を構成するものではない。」(p.32)
E「前記のとおり、債権者らには懲戒事由に該当する事実は認められないから、予備的解雇は解雇権の濫用に該当し無効である。」(p.32)
こうした判断を前提として「2 保全の必要性」でも、(1)給与(2)研究室ともにその必要性が認められ、最後に「3 結論」として「よって、本件仮処分決定は正当であるからこれを認可することとし、主文のとおり決定する」と締めくくられています。
私たち組合は、三教授側を一貫して支援してきたのですが、それは、Aの「学問的立場の違いを理由に懲戒処分がおこなわれるということ」があってはならないという一点に集約されます。まさに、今回の「決定」は、この点について明瞭な判断が下されたといっていいでしょう。以下、長くなりますが、その核心部分を引用します。
「科目適合性の有無の判断の誤りを懲戒事由にするということになると、学問的立場の違いを理由に懲戒処分が行われることになりかねず、選任を委託された教員らは、懲戒を恐れて自己の学問的見地に基づいて科目適合性の判断をすることができなくなるため、特段の事情がない限り懲戒事由に該当しないというべきである」(p.25)
「本件の場合、教授会でも相当の人数の教員が選考委員会の推薦に賛成していること、労使関係論、人事管理論の概念自体が固定されたものではないことは経済学史上明らかであるし、その定義も学問的立場の違いを反映したものとなるものであることからするならば、科目適合性の判断は極めて学問的立場の違いに左右されることになるものといわざるを得ず、したがって、○○候補が労使関係論について科目適合性が認められないとは明らかとはいえないし、業績評価書の記載が虚偽であるとも断ずることはできない。」(p.25)
「また、提出された証拠によっては、○○候補選考の動機が債権者らの私情に基づいていたと認定するには未だ十分とは言い難く、その他、特段の事情があると認めるに足りる証拠はない。」(p.25)
今回の裁判所の「決定」は、懲戒解雇ばかりか懲戒処分の理由もないことを明確化したものと解されます。しかも、この「決定」は、本訴(解雇無効・地位確認等請求裁判)を担当する鹿児島地裁民事第1部の判断であり「決定」ですから、それがもつ意義は極めて大きいものがあります。組合は、理事会が、今回の裁判所の判断と決定を厳粛に受け止め、一刻も早く、三教授「職場復帰」のための和解のテーブルにつくことを求めるものです。理事会の「理性ある決断」を期待します。